『悪役令嬢の矜持』感想|破滅フラグを折るどころか、自分で植林する女
「はいはい、婚約者を奪って姉を追放するタイプの悪役令嬢ね」
そう思って読み始めた人、開始早々に足元をすくわれます。
この悪役令嬢、破滅を回避する気がない。むしろ予約している。
義姉を虐げ、婚約者を奪い、最後は自分まで断罪されるウェルミィ。
どう見ても悪女。なのに読み進めるほど、「いやお前、お姉様のこと好きすぎん?」となってくる。
『悪役令嬢の矜持』は、悪役令嬢もののテンプレを使って、あとから意味を全部ひっくり返してくる作品です。
- 王道とはひと味違う悪役令嬢ものを読みたい人
- 姉妹愛や相互救済に弱い人
- 頭のいい主人公と策略ものが好きな人
- 冷静で有能なハイスペック男性に萌える人
- ざまぁだけでなく、泣ける人間ドラマも楽しみたい人
『悪役令嬢の矜持』作品概要
| 原作 | メアリー=ドゥ(小説家になろう発) |
| ジャンル | 悪役令嬢/転生ざまぁ/姉妹愛/恋愛ファンタジー |
| 主人公 | ウェルミィ・エルネスト |
| 配信 | ebookjapan(小説版・コミック版) |
| 特徴 | 断罪も破滅も、全部ヒロインの計算どおり |
『悪役令嬢の矜持』は、義姉を虐げ、婚約者を奪い、自ら破滅へ向かっていくウェルミィを描いた悪役令嬢ファンタジー。
……なのですが、この女、ただの悪女ではありません。
むしろ破滅まで含めて計画済み。
「悪役令嬢って破滅を避けるものでは?」という常識を、開始早々ゴミ箱へ投げてきます。

悪役令嬢フラッグを自分で工場生産して庭に全部立てる女
原作は「小説家になろう」|メアリー=ドゥ先生について
原作は、メアリー=ドゥ先生による「小説家になろう」発の作品です。
コミカライズ版も展開されており、小説版・漫画版の両方が刊行されています。
本作のおもしろさは、悪役令嬢ものではおなじみの
「婚約者を奪う」
「義姉を追い出す」
「夜会で断罪される」
といったイベントを、そのまま使いながら後から意味ごと反転させるところ。
テンプレだと思って油断すると、テンプレの床が抜けます。
元平民のウェルミィは、母の再婚をきっかけに伯爵家へ入り、義姉イオーラと暮らすことになります。
しかし成長するにつれ、ウェルミィはイオーラを冷遇。
彼女の立場を奪い、婚約者だったアーバインまで自分のものにし、ついにはイオーラを伯爵家から追い出してしまいます。
どう見ても悪女の完全勝利。
ところが数年後、ウェルミィ一家は夜会の場で、イオーラへの仕打ちを追及されることに。
当然、ウェルミィ自身も断罪の対象です。
普通ならここで「破滅フラグきた!」と焦るところですが、
本人、だいたい予定どおり。
なぜウェルミィは、自分まで破滅する道を選んだのか。
その理由が明らかになるにつれ、最初に見えていた「悪女」の姿が少しずつひっくり返っていきます。
序盤だけ見て「性格わる」で帰るのはまだ早い。
そこ、前菜です。
登場人物紹介|クセ強めの人たち
ウェルミィ・エルネスト
本作の主人公。義姉を虐げ、婚約者を奪い、自ら悪役令嬢ルートへ突っ走ります。
頭が切れて情も深い、危険な自己犠牲型。
破滅? 予定表に入ってます。
イオーラ
ウェルミィの義姉。
一見すると守られる側ですが、実は妹のことをかなりよく見ています。
姉妹愛、一方通行だと思ったら普通に往復してきます。
エイデス・オルミラージュ
冷酷と噂される有力貴族。
頭も切れ、ウェルミィの思惑にも早い段階で気づく男。
はい、強い。好き。
レオニール
身分を隠して学園に通う王太子。
周囲をよく観察し、自分で考えながら真相へ近づいていきます。
王子様だから置いてあるだけの家具ではありません。
アーバイン
もともとはイオーラの婚約者だった男性。
のちにウェルミィと婚約しますが、もちろんそこにも彼女の思惑あり。
姉にふさわしくない判定、入りました。
イザベラ
ウェルミィの母。
序盤ではイオーラを苦しめる側ですが、物語が進むとその背景が見えてきます。
単純な悪役で終わらせてくれない人。
クラーテス
ウェルミィに魔術を教える人物で、物語の重要な秘密にも関わっています。
ウェルミィの出生やイザベラの過去を知るうえでも重要な存在です。
見どころ|お約束を全部ひっくり返してくる
破滅回避どころか、破滅へ全力疾走する悪役令嬢
悪役令嬢ものといえば、破滅フラグを折るのが定番。
ところがウェルミィは、自分が破滅するところまで計画に入れている。
義姉イオーラを伯爵家から逃がし、家の問題を表沙汰にするためなら、自分も悪役として裁かれていい。
嫌われるのも、断罪されるのも想定内。
愛が重い。
重量税がかかるレベルです。
姉妹がお互いを救おうとしているの、聞いてない
序盤では、ウェルミィだけが一方的にイオーラを守っているように見えます。
でも実は、イオーラも妹の本心に気づいている。
自分を守るために悪役を演じる妹と、そんな妹を救おうとする姉。
姉妹愛の往復ビンタ。
「妹が全部犠牲になって終わり」ではなく、守る側もちゃんと救われるのがいいんですよ。
愛情、ちゃんと双方向でした。
情緒は無事ではありません。
ウェルミィより賢い男、出てくるんですか!?出てきます
ウェルミィは頭が切れ、人を見る目もあり、自分の破滅まで含めて盤面を組み立てる策略家。
でも、その思惑に気づく人間がちゃんといる。
特にエイデス。
ウェルミィが盤上で駒を動かしていたら、盤面ごと見ていた男です。
強い。
しかも陰謀にはめちゃくちゃ鋭いウェルミィ、自分が愛される可能性には妙に鈍い。
そこだけ処理速度8bit。
有能な女が一点だけポンコツになる瞬間、オタクはだいたい死にます。
読者レビューまとめました
今回いただいたレビューでは、全体としてかなり好意的な感想が目立ちました。
特に多かったのが、
「よくある悪役令嬢ものだと思ったら違った」
という驚き。
ほかにも姉妹の関係性、ストーリー構成、伏線回収、登場人物それぞれの視点、作画の美しさを評価する声が多く、3巻については「泣いた」「感情を持っていかれた」という感想も複数見られます。
一方で、レビューや資料全体から考えると、王道の爽快ざまぁだけを期待する人や、説明・心理描写が少ない作品を好む人には、やや好みが分かれそうです。
- ありがちな悪役令嬢ものとは違う展開
- 序盤から先が気になる構成
- 種明かしが気持ちいい
- 姉妹の強い絆に感情を揺さぶられる
- ウェルミィが賢くて健気
- 登場人物それぞれの心理が丁寧
- 別視点で同じ出来事の意味が変わる
- テンポがよく一気に読みやすい
- キャラクターと作画の相性がいい
- 3巻までの一区切りに満足感がある
- 序盤だけでは定番作品に見えやすい
- セリフや情報量が多く感じる人もいそう
- 心情をじっくり描く場面が多い
- 種明かし中心の構成は好みが分かれる
- ウェルミィの自己犠牲がかなり重い
- 恋愛だけを求めると姉妹愛の比重が大きく感じる
- 後半は視点の切り替えが増える
- 一部の恋愛進展を早く感じる可能性がある
- 単純な「悪人を倒してスカッと」では終わらない
- 作画担当の変更を気にする読者もいる
感想|悪役令嬢の皮をかぶった自己犠牲型シスコンだった
『悪役令嬢の矜持』でいちばん好きなのは、ウェルミィが「実は優しい子でした」で終わらないところです。
優しい。
ただし、優しさの出力方法がだいぶ物騒。
普通なら「お姉様を助けたい」から相談するところを、
「私が全部かぶって悪女になれば解決では?」
になる。
ならんのよ。
誰かこの子に「人を頼る」という追加コンテンツを入れてほしい。
でも、子どもの頃から限られた手札でイオーラを守ろうとしてきたと思うと、この無茶な自己犠牲も急に笑えなくなるんですよね。
しかも本人は「私が守る側です」という顔をしているのに、イオーラにはだいたいバレている。
妹が人生を賭けて姉を救おうとしたら、姉から
「いや、あなたも救いますけど?」
と返ってくる。
相互救済、強い。
ウェルミィ、愛で完全包囲されています。投降してください。
そして個人的にはエイデスもかなり危険でした。
ウェルミィが三手先まで読んで策を練っている横で、五手先くらいから全部見てそうな男。
こういう「説明しなくても察している強い男」、オタクの健康に悪い。
しかもウェルミィは他人の思惑には敏感なくせに、自分が愛されている件だけ通信障害を起こす。
そこだけ急にポンコツになるの、非常によろしくお願いします。
さらに3巻あたりからは、イザベラをはじめ「悪い人」で片づけていた人物にも別の顔が見えてきます。
もちろん、事情があれば全部許されるわけではない。
でもこの作品は、善人と悪人をきれいに仕分けしてゴミの日に出してくれません。
人は誰かを愛しながら傷つけるし、守ろうとして間違える。
悪役令嬢を読んでいたはずなのに、いつの間にか人間の業を持たされている。
聞いてない。
だからこそ、読み終わると1巻に戻りたくなります。
最初は悪意に見えたものが、二周目では別の意味に見える。
『悪役令嬢の矜持』は、悪女が改心する話ではなく、最初から見えていた「悪女」の意味を読者がずっと勘違いしていた話なんですよね。
ウェルミィは悪役令嬢だったのではない。
愛が重すぎて、悪役令嬢の衣装しかサイズが合わなかっただけです。
『悪役令嬢の矜持』はどこで読める?無料で読む方法
『悪役令嬢の矜持~婚約者を奪い取って義姉を追い出した私は、どうやら今から破滅するようです。~』は、ebookjapanで配信中です。
しかもこの作品、小説版とコミック版の両方が同じストアで揃います。「先に結末を知りたい」派も「絵で浴びたい」派も、ここで完結します。
ebookjapan|コミック版・小説版どちらも読める
| コミック版 | 配信中/無料試し読みあり |
| 小説版(原作) | 配信中/なろう発 |
| お得ポイント | 初回ログインで70%OFFクーポンが6回 |
| 支払い | PayPay対応 |
初回クーポンは6回に分けて使えるので、巻数のある作品ほどお得です。コミック版を数巻まとめて買うなら、ここが一番安く済みます。
無料で全部読める?
全話を無料で読める公式サービスはありません。ebookjapanで無料試し読みができるので、まずはそこで雰囲気を確かめるのが確実です。
ウェルミィの「悪女ムーブ」がどう見えるかは序盤で分かります。そこで引っかかったら、たぶん最後まで持っていかれます。
原作小説を先に読みたい人へ
原作は「小説家になろう」で公開された作品です。書籍版・電子版はebookjapanで読めます。
コミック版は原作の構成を活かしつつ進むので、結末まで一気に知りたいなら小説版が早いです。逆に、種明かしの衝撃を絵で受けたいならコミックから。
注意:「raw」や「海賊版」は絶対ダメ!
ここだけは真面目に話します。
漫画タイトルを検索すると、
「raw」
「zip」
「全巻無料」
などの言葉を組み合わせた非公式サイトが検索候補に出てくることがあります。
しかし、権利者の許可なく漫画をアップロードしている海賊版サイトの利用はおすすめできません。
作品を正規に配信しているサービスを利用してください。
漫画は、作者さんだけで完成するものではありません。
原作者、漫画家、構成担当、編集者、デザイナー、出版社など、多くの人が関わって一冊の作品が世に出ています。
今回の『悪役令嬢の矜持』も、原作、コミカライズ、構成など複数のクリエイターによって作られています。作品ページでも、メアリー=ドゥ先生、久賀フーナ先生、星樹スズカ先生、目玉焼き先生、ゆめ先生らのクレジットが確認できます。
正規サービスで読むことは、その作品を作った人たちへきちんと還元することにつながります。
また、出所の分からない非公式サイトでは、不審な広告や外部ページへの誘導など、安全面で余計なリスクを抱える可能性もあります。
数百円を惜しんでスマホと個人情報と精神の平穏までガチャに入れる必要はありません。
ここは本当に。
無料で試したい場合は、
公式の試し読み。
期間限定無料。
電子書籍サービスの正規キャンペーン。
このあたりを利用しましょう。
ウェルミィは自分から破滅ルートへ突っ込みますが、我々まで違法サイト経由で破滅ルートを選ぶ必要はありません。
彼女の真似をする場所、そこじゃないです。
『悪役令嬢の矜持』まとめ
悪役令嬢ものは山ほどありますが、この作品は「お約束を知っている読者ほど裏切られる」タイプです。
婚約者を奪う。義姉を虐げる。家から追い出す。夜会で断罪される。単語だけ並べれば完全にテンプレ。
なのに読み終わったとき残るのは、ざまぁの爽快感じゃなくて姉妹が互いを守ろうとしてすれ違い続けた時間の重さです。
「賢い主人公が好き」「相互救済に弱い」という人は、たぶん刺さります。覚悟して読んでください。
- 『悪役令嬢の矜持』は、なろう発の悪役令嬢×姉妹愛ロマンス
- 主人公ウェルミィは断罪も破滅も計算ずくで動いていた
- 悪女ムーブの理由は、義姉イオーラを守るための自己犠牲
- お約束を全部使って、その意味を後から反転させる構成
- エイデスをはじめ、ヒロインより賢い男が出てくるのが快感
- 姉妹が互いを救おうとしてすれ違い続けるのが本作の核
- ざまぁの爽快感より、読後に残るのは人間ドラマの重さ
- ebookjapanで小説版・コミック版の両方が読める
- 初回ログインで70%OFFクーポンが6回使えるのでまとめ買い向き
- 全話無料で読める公式サービスはなし。試し読みから入るのが確実

悪役令嬢の皮を剥いだら超高性能シスコンが出てきた

なんやその中身

人は、守りたいものの形でしか壊れられんのだ








