ブスは不幸じゃなきゃいけないのか問題『ブスらしく不幸でいろよ』で社会を斜めに見る

タイトルからして地雷臭がすごい。
でも気づいたら読んでる。いや、むしろ「読ませられてる」
そして「わかる……」って心の中のどす黒い自分が静かに頷いてる。
それが『ブスらしく不幸でいろよ』という地獄のような短編集である。
というわけで今回のテーマは「ブス」
もっと言えば、「社会的に“勝ち組”とされる美人が、何かしらのしっぺ返しを喰らって、地味女子が逆転する“スカッと系”」のアレ。
しかし、読み終わって最初に出た言葉はこれだった。
「私の人生、スカッとするターンいつ来るんやろ?」

『地味で損してた人』が主役になる短編集!
- モヤモヤをスカッと浄化したい
- 地味な正義を応援したい人
- 人間関係ホラー or 女のマウント劇場が好き
- 「昔いじめられてたけど、今は見返してやりたい」って人
『ブスらしく不幸でいろよ』概要
連載掲載 / 出版社 | 家庭サスペンス/嫁と姑DX 他 |
作者 | 横嶋やよい |
ジャンル/キーワード | 女性向け・スカッと短編集・人間関係ホラー風味、愛憎劇、サスペンス |
見れるアプリ | DMMブックス、Amazon Kindleなど |
『ブスらしく不幸でいろよ』は、一話完結型のスカッと系短編集。
タイトルからして煽られるけど、実は「外見だけで人を判断する奴ら、ざまぁしろ」という
めちゃくちゃ因果応報&読後スッキリ系のストーリー集です。
毎話、「見た目が地味 or ブスとされる人」が、マウント女・美人様・調子こきメンズにバカにされるところからスタート。
でも最後には、その見下した相手にブーメラン刺さりまくる展開が待っている。

読んでる側の心の闇も晴れるし、ちょっと元気も出る。

だいたい地味側の方がまともで魅力的。これホント
収録されてるエピソード(一例)
- 「使い勝手のいいブス」
→ 都合よく扱われてた地味女が、気づけば“勝ち組家庭”の女王に。 - 「マウントこじらせ花嫁」
→ どうしても“上”に立ちたかった花嫁が、自爆で全ロスト。 - 「万引き少女の成れの果て」
→ 過去のいじめが20年越しで返ってくる、地味な女の復讐劇。 - 「見栄女」
→ “SNS映え”のためなら命も削る。虚構の中で生きる女が、自分自身の現実を見た瞬間。 - 「成り代わり女」
→ 推しと繋がりたくて整形し、親友のふりをして乗っ取った人生。代償は思ったよりも高かった。 - 「バブル亡霊」
→ 時が止まった女。肩パッドとブランドバッグ、時代錯誤な恋愛観とともに、周囲を呪い続ける。

誰の中にもいる“ちょっと危ない”女たちを、シュールな毒とともに描いてる

地味に怖いけど、どこかリアルで、笑える。
感想:地味の逆襲が始まる

短編だからこそ読みやすく、刺さる
一話10〜20ページくらいでスパッと完結するテンポ感。
でも心理描写が地味にリアルで、「あ〜〜〜こういう人、職場にいるわ…」ってなるやつ多め。
絵柄はやや癖があるけど、それがまた“イヤなやつの顔の描写”に深みを与えてて、
めっちゃムカつく顔をしてくれるのもポイント高い!!
「地味で目立たない女」が勝ち組に反撃するカタルシス
主なパターンはこうだ。
- 美人やマウント女が地味女子を踏み台にする
- 地味女子、静かに反撃開始(主にスキルと性格で逆転)
- 美人が失脚 or 孤独に泣く
- 「ざまぁ」という読後感で締めくくる
……読んでて最高に楽しい。
なぜなら我々、“ただ地味で主張が弱く、性格もおとなしいだけの陰の民”にとって、
こんな美味しくいただける報復ファンタジーない。
だが同時に、こうも思う。
「これ現実で起きたら、ただの修羅場よな…」
「万引き少女の成れの果て」が刺さりすぎてしんどい
保育園の副園長が、かつての万引き犯で、しかも昔と同じ手口で冤罪を仕掛けてくる。
「こういうのって現実でも“やってる側”は忘れてるんだよな……」ってゾッとした。
そしてもうひとつ刺さるのは、「復讐側」も基本的に笑わないし、イキらないところ。
あくまで静かに、しかし確実にブチかます。
その陰湿さと抑制された怒りに、「ああ、もしかして作者も人生に色々あったんだろな…」って思わされる。
(まあそれは我々読者も同じなのだが)
結局、ブスはブスを救う物語だった

この作品を読みながら、途中で何度も思うんだよ。
「てか、美津乃、めっちゃ普通に良い女じゃね?」
地味で不器用だけど、礼儀はあるし、家事はできるし、何より人の悪口を言わない。
そう、ブスって言われるけど、「中身をちゃんと描かれるとブスじゃない」んですよ。
逆に“美人”枠で描かれてる奴の中身がクソすぎて、「あっ、これが真のブス…?」ってなる。
つまりこの漫画、タイトルの『ブスらしく不幸でいろよ』って、美人の仮面をかぶったブスへの皮肉でもあったのだ。
わたしの人生にも“蘭花”がいた
読み終わったあと、脳内検索したんですよ、「自分の人生で蘭花的存在いたっけ?」って
いた。普通にいたわ。
目に見える復讐より、じわじわ効く記憶の保管
中学の頃、私の服を見て「うわ、それお母さんの?w」って笑ってきたあなた。
いま、あなたのSNSこっそり見てます。
“ナチュラルお料理アカ”として頑張ってるみたいだけど、
写ってる旦那さん、びっくりするほど亮太感あるよ。元気?
「褒めに見せかけた爆弾、ありがとう」
あと、「インキャって、仕事は真面目よね~」
って最大級に地雷な褒め方してきたあの子。
今のインスタ、
スイーツアップか、ヨガか、子どもの後ろ姿しかないのよ。
元気……ではあるんだろうな……たぶん。
(※こんな形で思い出してしまうあたり、わたしの人間性も大概だと思う)
『ブスらしく不幸でいろよ』はどこで読める?
『ブスらしく不幸でいろよ』はDMMブックスなどの電子書籍サイトで配信中!
短編ごとにサクサク読めて、スカッと成分高めなのでスキマ時間にもぴったり。
おすすめ配信サイト:DMMブックス
- 試し読みOK
- セール対象になることも多い
- 一冊まるっと収録されているので読みやすい
▶ DMMで作品ページをチェックする(※セールや試し読みもあるよ)
Kindle Unlimitedで無料で読める!!
実はAmazonのKindle Unlimitedでも、一部エピソードが読めます!!
▶ Amazonでチェックする(Kindleストア)
※読み放題対象かどうかは時期によって変動アリ!
まとめ:私たちは、もっと幸せになっていい
『ブスらしく不幸でいろよ』という強烈なタイトルにひるんでたけど、
読んでみたら「これ全ブス必読では?」って思った。
いやもう、ブスとか関係なく、誰かの陰にされがちなすべての人間の救済書として読める。
それに気づいた時、こう思った。
「誰かの踏み台で終わりたくない。わたしも、美津乃でありたい」って。
そしてページを閉じて、そっとスマホのカメラを開く。
顔、ブスやったわ。
でもまぁいいや、
今日も美人の不幸でビールうまいし。私は私の業で生きていく。
それで明日も会社行ける
心はちょっと晴れた気がした。
🖤そんな業まみれのわたしが、日々のモヤモヤと毒をこねくり回してるブログはこちら↓
📓性格ブスの時代は終わった。これからは地味が主役の短編集
「なんかもう救われないけど、救われた気になる」そんな日が欲しい人、よかったら読んでって。
毒も、哀しみも、ちょっと笑えたら、明日もちょっと生きられるよな。