『余命わずかの脇役令嬢』あらすじ感想|恋愛より先に「ちゃんと見てくれ」
「お金持ちになりたい!」って思ったことありませんか?
十分なお金に、恵まれている生活…誰しもがこんな生活に憧れているのではないかと思います。もちろん私もその一人です。
でもお金持ちって本当に幸せなのでしょうか?
決められた結婚に、見えている将来…家族との確執…まるで「籠の中の鳥」のような生活に見えてきませんか?
このお話は、お金持ちの貴族ではあるけれど、色々な「代償」を払って生きている女性が生まれ変わる物語です。
- 切ない恋愛ものが好きな人
- 不遇ヒロインを応援したくなる人
- じれったい関係性に弱い人
- 重めの設定でも先が気になる作品が好きな人
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『余命わずかの脇役令嬢』概要
| 連載掲載/出版社 | gateauコミックpiccomics |
| 作者 | CHOVA、KIMPEUL、JAEUNHYANG |
| ジャンル/キーワード | 異世界ファンタジー、王族・貴族、お嬢様、特殊能力、姉、不器用、切ない |
| 配信サイト | ピッコマ/ブックライブ/Renta! など |
この漫画は、ファンタジー漫画「うちに閉じ込められた男主人公たち」で知られているCHOVAの最新作です!
「恋愛ファンタジー」ジャンルのこの作品。
貴族同士の恋愛をテーマとして扱っています。
作品の特徴として挙げられるのは、話の展開の早さと内容の豊富さ。
話も分かりやすいうえに、絵でもしっかりとこれまでのことを追ってくれるので分かりやすいです。
あらすじ

物語の主人公であるカリナ・レオポルドは貴族という位がありながら、森の中を一人彷徨っていました。そしてたどり着いたところはジェンタールの領主である、ミリアン・フェステリオ公爵のお屋敷。
「結婚は一年先のはずでは?」不思議に思うミリアンが婚約破棄はできないのかボソリと呟くと「婚約破棄…いいですわ」と答えるカリナ。何?どういうこと?しかし、このあっさりとした条件の承諾には条件があって…
カリナが婚約破棄の代わりに提案した条件とは「半年から10か月ほどここにいさせてください」というものでした。
自分の死期が近いことを知り、最初で最後の旅をしようと思ったカリナ。
彼女は病に侵されていたのです。
自分の死期を感じながらも、婚約破棄について淡々と語るカリナ。
ミリアンは戸惑いながらも彼女の提案を受け入れます。
こうして、一年後に結婚をするはずだった2人は、婚約破棄をしながらも同居生活を送ることになったのでした。
とにかく報われない要素が多すぎるカリナ。
家族の無関心、余命宣告された病、愛のない婚約にそして、婚約破棄…
しかし、彼女には絵の才能があったのです。この絵が彼女の心を救ってくれるはず…
これからの短い生涯の中でカリナは何を見つけ、何を生み出すのでしょうか…
登場人物
カリナ・レオポルド
この漫画の主人公でとにかく悲劇のヒロイン。
幼い頃より、遠方の兄、幼い双子の妹・弟に挟まれていつしか心を閉ざしてしまう。それ故に芸術の才能もいまいち開花しないままに不治の病に侵される。やがて「一年ももたない」という寿命も明かされ、自分の力で生きていくことを決意する。
ミリアン・フェステリオ公爵
カリナの婚約者。国を治めているだけあって冷静な人物。
カリナの思いがけない行動に驚いたりしつつも、何だかんだカリナのことを守ろうとします。少しずつ変わっていくミリアン。それはきっと、結婚することがなくなったカリナのお陰ですね。
カリナの父母
カリナの両親。主に母親によってカリナはこんな境遇になってしまっても過言ではありません。でも子育て中の私にとってはちょっと切ない話でした…カリナの寂しさを知りつつも、「いい子」であることを望んでしまう…カリナの病にも気が付かず、食事に出席しなくとも気にする素振りもない…現代で言うところの「毒親」という感じですかね。
インフリック・レオポルド
文武両道のカリナの兄。今すぐ父親の跡を継いでもおかしくないと皆から噂されており、評判も高い。
フェルダン・レオポルド
極めて社交的なカリナの弟。明るい性格で交友関係も広い。そう言うと聞こえはいいが、カリナは幼い頃からフェルダンのヤンチャさに泣かされてきた。
アベリア・レオポルド
レオポルド家の代名詞ともいえるカリナの妹。無邪気にカリナを慕ってくるが、その病弱さ故に誰よりも両親の愛情を享受されてきた。カリナが以前に慕っていた男性もアベリアしか見ていないという過去も。両親そして男性…カリナの欲しかった愛情は全てアベリアに注がれてきたのだった。
みどころ
スカッとする展開に「よくやった!」の気持ちが止まらない!
カリナの人生の不運さ…カリナを好きになる・応援したくなるには十分なのですが、どうしても「どうにかなってほしい」「両親や兄弟ともいい関係になれば…」と願わずにはいられませんよね?ここまではよくある展開ではないかと思います。
でもこの作品の面白いところはここから。主人公であるカリナは、愛を注いでくれなかった家族と訣別するんです。
この展開、かっこいいと思いませんか?自分ならできるかな?死期が近いのであれば、自分の「死」さえも利用して家族の愛情を受けようとするのではないでしょうか?
でもきっと違うんですよね。カリナの愛情を切望していた時期はとっくに過ぎ去ってしまっていたのでしょう。
どうしてカリナは家族を見切ったのか、それは今までの彼女の境遇もあるかもしれません。でももっと大きな出来事があったからなんですね。
気になる方は、漫画をぜひ読んでみてくださいね。
(主人公の生きる力になった「芸術」の力)
心を閉ざしたカリナは、ある日絵を描くことに目覚めます。
それも両親に期待をすることを止めたから。
10歳のカリナは、絵を描きたら自分には才能があるということに気が付きます。
これを世間では「奇跡」と呼ばれる、類まれなる才能だったのですが…
絵を描くことに喜びを覚えたカリナはそれを両親に報告します。それはそれは期待感に胸を膨らませながら…
しかし、そんなカリナに母親は一言「そう、よく描けてるわ」の一言。
それどころか、遠方に住む兄の自慢話を始めたのです。
これはさすがに、私の胸も押しつぶされそうになりました…
子どもが親に対して「みてみて!」っていうときって、「自分を認めてほしい」気持ちの表れだと私は思っています。それなのにこの態度…
もう一生彼らはカリナの才能を知らずにいればいい!!そう思いました。
でも婚約者だけは彼女の才能を認めてくれるんです。本当に分かってくれる人がいてよかった…
とにかくモヤっと感が止まらない…
個人的な意見ですが、どうしてもカリナの境遇は辛すぎて、次から次へと彼女に襲い掛かる不遇に心がとにかく痛くなりました。
それはこれからカリナが素晴らしい人生を送る、悔いのない余生を過ごすという伏線でもあるとは思うのですが…でも、どうしても個人的には幸せになるほかに、今までカリナを苦しめていた人…ちょっと不幸になってほしい!!それだけ読者の感情の波に触れる、巧みな構成なのだとは思うのですが…まあまんまとやられたということですね。
今後の展開予想

お互いに、全く分かり合っていないままに婚約を解消した2人。
しかし、思いもよらない同棲生活の中で2人はぎゅっと近づくのではないかと思います!
今までの家族からの冷遇を消し去るかのように、きっとお互いを知り、本物の家族になっていくのではないでしょうか。
彼女の生い立ち、才能、そして余命…全てを受け入れてくれるミリアンと共に残りの人生を大事に過ごしていくはずです…
読者レビューまとめ
- 絵がきれい
- フルカラーで見やすい
- 話がわかりやすい
- 設定説明が長すぎず読みやすい
- 続きが気になる展開
- 主人公が健気で応援したくなる
- 婚約者がやさしくて好感が持てる
- 家族との対比が物語を盛り上げている
- 切なくて感情移入しやすい
- 恋愛だけでなく主人公の生き方も描かれている
- 家族がひどすぎて読むのがつらい
- 展開が切なすぎる
- 病気の設定が重い
- 主人公にイライラするという声もある
- 主人公の行動がわがままに見えることがある
- 婚約者が最初は冷たく見える
- ご都合主義っぽく感じる部分がある
- 絵のバランスが気になるという声がある
- 薄着など描写に違和感があるという意見もある
- ハッピーエンドになるのか不安でしんどい
感想
この作品、ラブロマンスの皮をかぶっているけど、読者が本当に摂取しているのは恋愛糖分というより家族への怒りという名のカフェインなんだよね。
「主人公が不憫です、婚約者が優しいです」で終わる話ならこの世にごまんとあるのに、なぜこんなに気になるかというと、家族があまりにも“ナチュラルにひどいからである。
役として全力で殴ってくるタイプじゃなくて、「え、私たち普通ですけど?」の顔でじわじわ心を削ってくる。ホラー映画の幽霊より、こういう“善良なつもりの鈍感”のほうがよほど怖い。昼間に出るし。
しかもカリナがまた、「こんな家出たるわボケ」と反旗を翻すタイプではなく、静かに諦めていた人間なのがしんどい。
反抗する元気すら削られた結果、死に場所を探すみたいに婚約者のところへ行くの、人生の導線があまりにも世知辛い。
引っ越しの理由が「新生活始めます☆」じゃなくて「できるだけ穏便に死にたい」なの、テンションの置き場がない。明るいBGMが一曲も流れない。
で、そこに婚約者ミリアンが来るわけだ。
最初は塩。かなり塩。だが読者はもう家族という名の虚無を見せられたあとだから、人間として最低限の気遣いをされただけで「聖人!」となる。
基準値が地中深くまで下がっている状況なんだよね。ブラック企業を辞めたあとに「この会社、上司が怒鳴らない!」って感動してるみたいなもので、いやそれ普通なんだけど、普通が奇跡に見える環境だったんだよな……となる。
この作品の強さって、
「愛され展開が尊い」より先に、「なんで今まで誰もこの子を見てなかったんだよ」への怒りがあるところ。
だからキュンだけでは処理できない。胸が痛いし、腹も立つし、それでも「どうか幸せになってくれ」という気持ちだけがスクラム組んで前進していく。
あと、芸術病という設定もだいぶえげつない。
才能が花開く代わりに命が削られるって、創作のメタファーとして見ても重いし、そのうえ本人にとって絵を描くことが唯一の救いなのがまた容赦ない。
生きがいがそのまま死因候補です、って設定した人、たぶん情緒をミキサーにかけるのが趣味なんだと思う。読者はそのスムージーを「おいしい……でも苦い……」って言いながら飲むしかない。
ただ、その重さがあるからこそ、ミリアンとの関係が効く。
大恋愛が始まるというより、「この人は私をちゃんと見てくれる」という一点がまず救いになる。
恋愛って本来そこからだよな。顔がいいとかスペックが高いとか以前に、体調の異変に気づく、言葉を聞く、存在を雑に扱わない。
そんな当然のことが、カリナの人生ではレアドロップすぎた。SSR思いやり。
まとめ
総じてこの作品、
キラキラ異世界ロマンスというより、“愛されなかった人が、愛されることに戸惑いながらも執着してしまう話”として読むと刺さる。
「かわいそうなヒロインが愛されてよかったね」という話で済ませるには、読者の胃が痛くなりすぎる。
でもその胃痛ごと抱えてでも読みたくなる。
主人公・カリナの不遇には驚かされる一方で、そんな籠の中から自ら飛び出そうとする行動力には、思わず応援したくなる。
そしてミリアンとの関係も、ただの恋愛や夫婦未満の駆け引きではなく、もっと静かで深い絆として描かれているのが印象的だ。
残された時間が長いか短いかではなく、その時間をどう生きるか。
そういう問いを、カリナはかなり真正面から読者に突きつけてくる。
恋愛漫画を読んでるはずなのに、一番育つのが「他人をちゃんと見ろ」という倫理観なの、だいぶ教育番組なんよ。

